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偏差値で志望校を決めていいのか?

受験を控えている中学生や高校生、そして保護者の方々、
志望校ってどうやって決めますか?

人それぞれの夢や目標があり、そこから志望校がリストアップされ、
その中で自身の成績や学力から受かりそうなところを第一志望にすると思います。
そして、その成績や学力という指標は、「偏差値」で決めるという人がほとんどでしょう。

例えば、自身の偏差値が57で、
行きたいと思っている学校のうちの一つが偏差値55なら、
まぁ受かるかな?となりますね。
でも本当に行きたい学校の偏差値が60だったらどうでしょう?
ちょっと厳しいかな…と思いますよね。

こんな風に偏差値をものさしにして、志望校や受験校を決めるのが主流でしょう。
ただこの決め方、大きな落とし穴があります。
ずばり、その学校の偏差値は正しいのか?

一例として、大学受験で東大なら偏差値70で、
高校受験で佐賀西なら偏差値69です。
これは東大受験と佐賀西受験が同じ難易度ということではありません。
(そもそも大学と高校だし)

偏差値というのは、あくまで相対評価でのものさしです。

東大と佐賀西の偏差値が数字では70と69でほぼ同じになる理由は、
大学受験する人全体で東大に合格する人の偏差値が70位で、
佐賀県立高校を受験する人全体で
佐賀西に合格する人の偏差値が69位ということです。
そもそも、比較する集団が違うということです。
言い換えるなら甲子園での150㎞のストレートはめちゃくちゃ速いけど、
プロ野球だと平均位ということですね。

偏差値は60なら全体の10%、70なら全体の1%です。(厳密には違いますが)
大学を受験する人全体の1%くらいが東大に受かるから偏差値70!みたいに決めているんですね。

この時点でこう思うでしょう。
「そんなテキトーに決めているの?」

実際かなりテキトーに決めているみたいで、
某大手予備校が発表する大学受験偏差値は、
数人の先生がなんとなくで決めたものを
20年以上使い回しているみたいです。
受験の偏差値なんてわりと雑に決まっているものです。
それでもそこそこ精度が良いのでずっと使われています。
(=偏差値通りの結果になる)

ただこれは集団の結果を予測するのには適していますが、
個人の合否予測には不適切です。

偏差値70の受験生100人は60%位で東大に合格する。
(100人中60人位が合格する)

この予測は受験生を送り出して、
その結果を広告にする学校や塾によっては非常に良いものさしです。
なるべく全体の結果をよくしたいので、
不合格になるくらいならレベルを落としてでも
「合格者」の数を増やしたいですし、
逆に難関校の合格者数を増やしたいと思えば、
可能性が低くても受験させようとするでしょう。

しかし、受験生一人ひとりにとってこの予測は有用でしょうか?

得意科目や苦手科目、問題形式などなど偏差値以外にも
受験戦略を立てるために使える情報はあります。
偏差値だけに注目していると足をすくわれるかもしれません。