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音読をした方がいいですか?

「音読」「シャドウイング」どっち?

 「音読をした方がいいですか?」「シャドウイングをした方がいいですか?」という質問を受けることがあります。

 その前に、「正しい発音を知っていますか?」「CDを聴いて確認していますか?」と尋ねてみます。大抵の場合、「単語を知らない」「発音がわからない」「CDを聞くのは面倒臭い」「そもそも発音記号が読めない」という答えが返ってきます。結局、意味がわからないのに発音だけ真似して繰り返すのは、何のための音読なのかわかりません。「なんとなく発音できるようになった」というところで終わってしまうかも知れません。

 聴いて繰り返して、フィーリングで覚えるという学習法は、時間が限られている生徒さんには時間がかかり過ぎて非効率で、お勧めできない学習法だと思います。

 まず、単語を覚える必要があります。しかし、矛盾するようですがある程度文法を知らないと、単語が頭に入ってこないので、まずは単語を覚えながら一通り中学文法がぱっと頭に浮かぶぐらいまで繰り返し学習します。

 これぐらいの基礎があれば、音読の効果が出てくるのではないでしょうか。使用教材は、内容のわかる文章がいいと思います。対訳になっていて、和訳と照らし合わせてみればすぐに理解できるものなどもいいと思いますし、英検の問題集や英検対策用の教材などもとても役に立ちます。CDも付いていますから、音が確認できます。

 では、「音読」と「シャドウイング」ではどちらがいいか。これは、意見が分かれるところですが、私は、「音読」からの方がいいのではないかと思います。「シャドウイング」は難しいのです。「シャドウイング」を、しかもスクリプトを見ないでやった方がいいという方もいらっしゃいますが、これができる人は、かなり限られます。まずNHKのニュースなり(「ぶっ壊す!」という方は、他局のニュースでもOK)で、日本語を聴いて日本語でシャドウイングを試してみてほしいと思います。案外難しいと感じるのではないでしょうか。それを英語でやるのは、もっと難しいですよね。

 まずは、スクリプトを見ながら、意味のわかるものをCDを聴きながらオーバーラッピングをしていく。そして見なくてもできるようになればシャドウイングに移るという方法がよいのではないかと思います。

 音読も大切ですが、最初は黙読からで構いません。毎日短いものを1つ読む習慣をつけることから始めてみてはいかがでしょう。単語を覚えるところからできていない人があまりにも多すぎる気がします。子供の頃に国語の教科書を音読していた頃、「読むのに必死すぎて内容がまったく入って来なかった」という経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。まずは、黙読で精読して内容を理解することなしに、音読や速読みたいな「やってる気分になるだけ」の学習はお勧めしません。

 今は、CD付きのレベル別問題集が数種類でています。それらの中から1つのシリーズを段階的にやっていくのもいいですし、同レベルの違うシリーズのテキストを使っていくつかやっていくのもいいと思います。読んで解いて答え合せをして、内容を理解してからCDに合わせて音読をする。

 まずは、そこにたどり着くまでに単語や文法を学習して、リーディングを行うのが近道です。入試に必要な読解力をつけるためには、論理力も必要になります。国語力をつけると、あるいは国語力が高い人は長文を読むのに有利です。

 要約すると、はじめに基礎固め。次に、「音読」の順でいいのではないでしょうかね。

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