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「憮然とする」は、「ぼんやりする」の意

 文化庁月報の連載記事で「言葉のQ&A」に載っているトピックです。朝日、毎日、教育新聞など、さまざまなサイトで取り上げられている「憮然」の意味。本来は、失望してぼんやりしているという意味と書かれています。「国語に関する世論調査」で、不快感を表す言葉として用いられていることが多い「憮然とする」という言葉ですが、私も、「ぼんやりとしている」という意味では使っていませんでした。

なぜ、不快感を表す言葉として用いられるようになったのか

 このことについて、文化庁のサイトでは

「腹を立てている様子」という意味として用いられるようになってきた原因としては,『「憮然」の「ブ」という音が,「ぶうぶう言う」などの「ぶうぶう」(「小言や苦情を言い立てるさま。ぶつぶつ。また,その人」(広辞苑 第6版))などを連想させる可能性があることや,また,「ぼんやりとしている様子」としては「呆然」などを使うのが一般的であるために,「憮然」という語「ぼんやりとしている様子」という意味が結び付きにくいことなどがあるかもしれません。

 と書かれていました。なるほど、その音の持つニュアンスが意味に影響するというのは、なんだかわかる気がします。しかし、それだけではなく、この平成30年度の「国語に関する世論調査」の概要がPDFファイルとなって公開されていたので、さらに他の調査も見てみました。

読書量がじわじわ減っていた

 言葉だけでなく、読書に関する調査も行われていました。読書量が減っていると答えた人が67.3%。結構な数字です。電子書籍、漫画、雑誌などを含め、相対的に読書量が年々減少しているのがわかります。驚いたのは、読書量を増やしたいと思うかという質問に対して「そうは思わない」と「あまりそう思わない」「わからない」人が半数近くいるということです。もう、読書量を増やしたいとすら思っていないというのが、単純に「読書の時間が取れない」ということなのか「読書に価値を見出さない」ということなのかがわかりません。

「聞いたことがない」を連発する人続出

 最近、特に感じていたことなのですが、中学生などと話していると、そんなに多くはないのですが、ときどき何を聞いても「聞いたことがない」「知らない」という子がいるんです。この調査の中ではいくつかの言葉に関して「使うことがある」「聞いたこ とはあるが使うことはない」「聞いたことがある」「聞いたことがない」のどれにあてはまるかという調査項目もありました。

 我々が普段読書をしているのなら、あるいは普通に生活をして会話をしているならどこかで見聞きする言葉でも、20%以上「聞いたことがない」と回答した言葉があります。これは「聞いたことがない」ということに加え、「聞いたことがあってもそれを記憶する予備知識が不足している」ということがあるのではないかという気がします。

まとめ

 言葉は変わっていくものなので、その言葉本来の意味で使われなくなる語があるのは自然な流れだと思います。どちらかというと、読書量の減少の方が問題なのではないかと思ったのですが、みなさんはどのように思われたでしょうかね。では、今日はこの辺で。

追記

 昨日、Microsoftのexcelは無限ループからいとも簡単に脱したと書いていましたが、それからアプリが開けないことが判明。サポート窓口に問い合わせることにしました。