令和に昭和なロック歌謡を思う

昭和歌謡という突き抜けた言語の世界

 本日のトピックは昭和歌謡です。なぜ昭和歌謡なのかといいますと、英語長文なんかを読んでいるときに例えばwidowと出てくるじゃないですか。そうしたら、私の頭の中に♪ロックンロールウィドウアハハ~という昭和の歌がよぎるんですよ。でも、うーん、待って待って。ロックンロールな未亡人がアハハですって。ロックンロール・ウィドウって何?と歌詞をググってみました。

 驚きました。

 要約すると、カッコばっかりつけているロックンローラーの夫に愛想を尽かした妻が「私あなたのママじゃない」「もしも誰かに聞かれたら夫はとうに亡くなりました。いい人でした」と勝手に抹殺という、とても刺激的な歌詞。

 確かにそれはウィドウでアハハかな、と。参りました。昭和歌謡の凄みみたいなものを感じました。その荒唐無稽なところというか、なんでもありというか、激しく自由でロックなところが素晴らしい。

 昭和歌謡に出てくる歌詞の破壊力。もうお亡くなりになった桑名正博さんの「セクシャル・バイオレット・ナンバーワン」の衝撃。

 セクシャルなバイオレットがナンバーワンなんですよ。もう意味不明じゃないですか!と思っていたら、情熱の朱と哀愁の青を混ぜてバイオレットになっていたのでした。あー、それでセクシャルなバイオレットはナンバーワン!だったのですね。どこのランキングで何週連続なのかは存じませんが、セクシャルなバイオレットは私の中で間違いなくナンバーワンです。生前の桑名正博さんは、テレビのインタビューに答えてロック歌謡って言われるのが嫌だったとおっしゃっていたのを聞いたことがありますが、じんわりこみあげるソコじゃない感。いやいや、ロック歌謡でいいでしょう。問題はそこじゃないんだ!と私はテレビの前で思いました。

 でも、明らかに英語が間違っているものもありますね。おそらく昭和に限らず英語の歌詞は間違いがたくさんあると思います。母語じゃないからそれはそれでいいと私は個人的に思ってますけど。ヒロミさんの奥さんの松本伊代さんの「ラブミーテンダー」の teach me why? は、tell me why?の方がいいと思います。このレベルの間違いはナシだと思います。でも、もうそれぐらいどうだっていいんだ。昭和歌謡だから。

 アン・ルイスさんの In pleasure という曲も、私のハートはステレオタイプ 右のハートで云々かんぬん…って、stereotypeって、固定観念じゃないのかい。でも、もうどうでもいいのだ。昭和歌謡だから。アン・ルイスさんはカッコいいからいいんだ。歌うまいしね。今、テレビではお見かけしないけど。

 おそらく、その頃は曲を作って自ら歌うという文化もあまり根付いておらず、作詞家が歌詞を書くのが一般的だったというのも、昭和を感じさせます。しかも、これが「面白ければ、それでよし!」というスタンスでやってないできっと演ってる側も、聴いてる側も自然にそれを「いい曲だ」とすんなり受け入れていたというのも時代を感じさせます。確かにいい曲には違いないですが。

 「俺、昭和に生まれたかった」という高校生は何がよくて昭和に生まれたかったのかわかりませんが、そこはかとなく漂う昭和のバイオレットのナンバーワン感がツボなのでしょうかね。今日はなんだか、つまらん話であいすみません。