読解問題はどうやって学習する?

 読解問題を解いている時に、終盤で時間が足りなくなる人は多いのではないでしょうか。「文法なら単元別に学習できるけど、読解問題って、効果のある学習方法があるんでしょうか」と思われたかもしれません。一般的には、「音読」が効果が高いと言われています。では、まず確認です。今やっている読解問題は、どのような目的の問題集かはっきりしていますか?そして、ご自身の学習目的に合った問題集を選んでいますか?

例えば

英検読解リスニング対策」

市販読解問題集のシリーズ」

共通テスト型マーク問題

など。

目的別におすすめのテキストをあげておくと、

英検対策…「でる順パス単」「英文法テキスト」→「文単」「過去問

●市販の読解問題集…「普段使っている単語帳」「英文法テキスト」→「読解問題(CD付)」→「解く・答え合わせ」→「内容理解」→「音読」

●「共通テスト型マーク問題」…「普段使っている単語帳」「英文法テキスト」→河合、Z会、駿台、東進マーク問題を解く

というのがおすすめ。すべてに共通するのは、単語帳を先にある程度やっつけておくことです。単語をほとんど知らない状態で読解問題を解くと辞書なしでは読めないので非効率です。テキストのレベルを落としても、シリーズのレベルが上がると急に読めなくなってしまうので結局単語を覚えないと先には進めません。「1年の時からの単語の蓄積がまったくないので時間が足りる気がしない」という高3生は、共通テストマークの過去問を、一度解いてみてください。そして、大いに焦ってください。結局、その焦りがないから今があるのだと思います。まだ、間に合うから単語を覚えましょう。根性は不要。必要なのは覚える習慣です。そして量をこなすこと。単語だけでもある程度覚えられていたらそこそこ読めるようになります。しかし長い文章を正確に読むには英文法の知識が必要です。その前に、英語が苦手な人は単語を覚えていなくて、手も足もでないということが多いのです。では次に、具体的にどうするかを書いていきます。

まずは自分に合った単語帳を選ぶこと

単語は文中で覚えるという人は「文で覚える単熟語」「速読英単語」などがおすすめです。しかし、これはどちらかというと単語を覚えるのが得意な人向けです。蓄積が少なくて、単語帳なのにいきなり文を読んで覚えるのに抵抗がある人文法テキストと並行して「1語1義系単語帳」(『旺文社ターゲットシリーズ』『でる順パス単』など)を使うことを推奨します。1日100単語ずつ心ゆくまで回していただきましょう。1日で覚えられなくても翌日は次の100語に。そうしないと、最初の100語だけで高校生活が終わってしまうから。忘れたらまた戻って繰り返せばいいじゃないですか。一度に覚えられると思わなくてもいいんです。逆に一度に覚えようとするから3日と続けられないのかも。単語は長丁場です。覚え切ると決めた単語帳があれば、きっと覚えられますよ。

文で覚える系単語帳」(いわゆる英検向けの『文単』、受験単語帳『速単』)は、読解練習用に使うことをお勧めします。収録単語の総数がやや少ないので、効率的とは言えませんが、読解力とリスニング力アップには効果を発揮します。使い方は、英検の読解問題対策のやり方と同じです。では、本題。英検の読解問題対策から。

文単』『速単』を使ったリーディングの学習法

ここでは、読解問題が速く正確に読めるようになるための練習方法を書きますが、最短合格を考えているなら英検読解問題対策をメインに持ってこないこと英検ライティングから対策をします。8割~満点が目安です。英検リーディング語彙問題にウエイトが置かれているので、ライティング語彙問題対策をやった上で行います。『文単』は、左ページに英文、右ページに日本語訳の対訳になっていますので、左ページを読めるところまでそのまま読んでいきます。知らない単語や意味が取れない箇所は、和訳を見て隙間に書き込んでいきます。単語帳の文法は単語を覚えることを目的としているため、あまり複雑ではありません。返り読みせず頭から読んで意味が取れるようになるまで精読します。頭から読むためにスラッシュを入れて読んでいくと読みやすいです(あまり入れすぎない方が読みやすいです)。解釈が完璧になったら音声を聞いて、止めて、音声を真似します。そこで「カタカナ」になったり「セリフをカミカミ」にならないように音声に似せてください。その際、テキストは見ながらで構いません。一文が長い場合は区切って止めて練習します。よく聴けば読み手がどこで区切っているかがわかると思います。再生速度を落として、最終的に標準スピード以上で真似できるようになるまで頑張りましょう。

英検の読解は、基本的にそうやって『文単』でできるだけ学習して、過去問を解いて仕上げるのがよいかと思います。読解対策といっても、何度も聞いて繰り返すのでリスニング力がついてきます。リスニングは、準1級までなら過去問をたくさん聞くだけでも合格点が取れてしまうことが多いですが、この学習方法は、「リプロダクション」と言って、完コピをすることによって読む、聞く、話す、力がついてきますので、すべての人にお勧めしたい学習方法です。

市販の読解問題集の使い方

これも、後半にやるべきことは前述の「リプロダクション」ですが、普段使っている単語帳がある程度頭に入った状態で始めます。音声と文構造の解説付きのものを選んで、内容を理解した後、頭から読んでいきます。スラッシュごとに和訳があって後戻りしないで読めるものなど、学習しやすい教材がたくさんありますから、書店で実際に手に取ってみられるといいでしょう。音声がついているものであれば、学校教材でも模試の過去問でも構いません。みんなが言っていることだと思うけど、よく理解したものを音読することが大事です。みんなね、参考書を買いすぎ。そして最後まで行ってなさすぎ(笑)。

最後は、さらっと共通テスト対策問題集について

共通テスト型のマーク問題は、学校で渡される教材も含め、3、4冊やっておかれるといいのではないかな。ちゃんと読めるならそんなにやらなくてもいいんですけど。共通テストはセンターよりも読む量が増えています。純粋に英文読解力というより「情報処理能力」が問われる問題なので、グラフを見たり、パッセージをいったり来たりして解くのが苦手なら訓練が必要です。ほぼ共通テストのみで勝負する人は特に、これ以外は解けなくてもこの形式だけは解けるという状態にしておきましょう。「文法、単語暗記ができていないけど、共通テストでいい点をとりたい」という人は、まず全体を時間無制限でどの程度解けるか、試しに1回分解いてみてください。そしてショックを受けてください。「文法、単語暗記の後に…」と考えていると、たいてい「まだ時期じゃない」とか何とか言ってマーク型の問題演習がほとんどできない状態で試験に臨むことになるのではないかと私は思っています。マーク型の問題演習をするメリットは、読む量が多いこと。学習量がもともと少なかった人には、一冊で学習量が爆上がりする問題集です。一冊仕上げた頃には、単語や文法を勉強しないと太刀打ちできないと感じるかもしれませんし、すでに合格点がとれるようになった人は達成感が得られるのではないでしょうか。新しい版が出るのは6月下旬から7月上旬くらいなので、中古で今年度版を買われるのもよいかと思います。東進の緑色のテキストはリーディングに音声がついています。

まとめ

・「単語帳」「英文法テキスト」→文で覚える系単語帳→読解問題集

の順に学習しましょう。特に、文で覚える系単語帳はしっかりやりこむといいですよ

結局、どの教材を使おうと、毎日継続できることが大事。はじめは「少ないかな」というルーティーンを組むくらいがちょうどいいです。大抵の場合「今日は試験が終わったから、頑張って徹夜で勉強したから、ルーティーンはお休みしよう」と、理由をつけて休んでそこからルーティーンが崩れていきます。徹夜明けでも毎日やるのがルーティーンです。徹夜明けでも風呂には入るし歯磨きもするでしょう。歯磨き、飯、風呂、英単語。

じゃ、またね。