『リンガメタリカ』新旧比較

久しぶりの投稿です。リンガメタリカの改訂第2版が出たので早速購入してみました。

以下、レビューとなります。

 

『話題別英単語 リンガメタリカ(Z会)』は、約20年ぶりに全面改訂されました。手元の旧版(2023年発行:初版2006年)と改訂第2版を並べてみると、単なる英単語帳のアップデートではなく、ちょっとした近代の歴史資料のようです。ひとまず物理的な変更点(CD別売り→音声無料ダウンロード)から、削除・追加された項目の深意、そしてこれからの入試英語をどう読み解くべきか、徹底的に比較・考察していきます!

物理的、システム的進化

格段によくなってる!

まず、実用面での大きな違いを確認しておきます。

音声CDから「ダウンロード・ストリーミング」への移行。

👏👏👏👏

もう、素晴らしいですわ。

時代を感じさせる旧版の音声別売りCDは一体なんだったのでしょうか。2粒で1度おいしい商法。受験生は泣く泣くぼったくりプライスで買わされる運命にありました。すでに時代に合っていなかったCD版がダウンロードできるだけでも進歩だと言えます。スマホ一つで「背景知識のリスニング→音読」が完結する利便性は、学習効率を2倍3倍に引き上げます。いや、よかったよかった。

これは、お値段本体1200円→1500円(税込1,650円)に上がってしまったことも許せてしまう。まあ、音声有りならしょうがない。

レイアウトは旧版より「シュッとしていらっしゃる(何それ)」私にとっては見やすいですが、印象としては解説多め、文字自体多め?そうでもないのかな。いや、少し増えた気がする。微増か?

構成の変化

最も注目したい変更点は、各章の「並び順」と「扱い」ですね。

「グローバル化」が項目から外され「自然科学・人類学」を最初に持ってきたこと。

旧版で第1章だったのが「グローバル化」でした。2000年代、世界は一つになると信じられていました。しかし改訂版のトップは「自然科学・人類学」です。 ここでは「ダーウィン進化論」「パラダイムシフト」「構造主義」「量子論」といった、より根源的なテーマが扱われます。世界を動かす表面的な仕組み(経済・政治)よりも、その前提となる「世界をどう認識するか」「人間とは何か」という認識論・存在論が、現代の知性の最前線にあることを示唆しています。

「テロ」の削除と「政策」の新設

旧版に存在した「テロ」の章は削除されました。しかし、それはテロがなくなったからではなく、入試問題で取り上げられている文脈では、どうやら暴力はより構造化され、社会の内部へと溶け込んだという見方に移行したのではないかと。

新設された「政策」セクションでは、「メリトクラシー(能力主義)」「ロールズの社会正義」「移民」といった、社会の亀裂をどう修復するか(あるいは固定化されているか)という、より内省的で高度な議論が展開されています。ま、そこまで詳しくは書いてないけども。あくまでも単語帳だからね。

内容の深化

改訂版の記述は、旧版よりも格段に「踏み込んで」いる印象。

生命の選別と「優生学」への警告とでも申しましょうか。ちょい大袈裟か。

改訂版では、1章において「優生学(Eugenics)」に言及しています。ゲノム編集や出生前診断が普及する中、かつての「国家による強制」ではなく「親の善意や利便性」によって、静かに命が選別される未来を予見している気がします(知らんけど:そこはぼかしとく😅)。 旧版でも尊厳死は扱われていましたが、第2版は「尊厳死がなぜ日本では進まないのか」といった、より社会倫理的なジレンマに踏み込んでいますね。

未来思考の探求課題

巻末付録だったところが「未来思考の探求課題」に変わり、より深く考察する視点を与えてくれているように思いました。

  • 昆虫食・肉食・水産資源の保護
    ここでは、肉食の環境負荷という大義名分の影で、私たちが何を摂取させられようとしているのか透けて見える気がします(ちょっと怖いな)。安価な「高度加工食品(超加工肉)」や「昆虫食」を食べる層と、従来の「本物の食事」を維持できる層への分断。日本がその「壮大な実験場」になりうるリスクさえ、行間から滲み出ているような気がするのは私だけだろうか(でたよ陰謀論)。

経済に関して

第2版で「経済・経営・メディア」がひとまとめにされたのは、もはやこれらが「分離不可能な一つの巨大な集金システム」になってしまったということなのでしょうか。

資本主義が成長の限界に達し、格差や環境負荷を隠しきれなくなった今、ケインズ的な介入もセン的な人道主義も、巨大なアルゴリズムや暗号資産の奔流の前に飲み込まれているのかもしれません。新旧比較すると「概念から実務・現象へ」のシフトに現れている気がします。どういうことかというと「どうあるべきか」という経済哲学から「今何が起きているか」という現象報告(ブロックチェーン、DEIなど)に変わっています。

これは、資本主義の「末期症状」を理論で説明することを諦め、せめて最新の用語だけでもアップデートしておいたというとりあえず感というか、入試問題もその方向に進んでいるのかもしれませんね。新版で登場したDEI(Diversity, Equity & Inclusion)も、見方を変えれば、資本主義が生き残るための延命策としての側面があるようです(←AIに聞いたけどあまりよくわかっていない😅)。市場が飽和した中で、新しい層を消費に取り込み、組織の不全を「多様性」という言葉で繕う。入試英語としてこれが出るのは、それが現代企業の「新しい標準語」になってしまったからなんでしょうか。資本主義も末期症状っぽいということはなんとなくわかるんですが、素人がなんか言ってますねぐらいに思っておいてください。そして、メディアが同じ項目にあるのは、もはや経済活動の大部分が「実体のある商品の交換」から「情報の操作と注目の奪い合い」に移行したということなんじゃないかと。ブロックチェーンも暗号資産も、突き詰めれば情報を価値に換える試みですよね。ケインズが想定した実体経済のルールが通用しない場所に片足つっこんじゃったんでしょうか。どっぷり肩までなのか、それは私にはわかりません(笑)。

これからの入試英語をどう読み解くか

近年の難関大入試英語は、単なる「速読・精読」の段階を超えて「未解決の社会問題に対する自分の立ち位置(スタンス)」を問うものへと変質しているように感じます。いわゆる、日本語力を英語で試すという試みですね。でも、単語も覚えた方がいい!間違いない。

さて、ポイントは

キーワードを連結させること: 「AI(テクノロジー)」と「倫理(政策)」、あるいは「環境(食)」と「格差(経済)」のように、各章を跨いだ思考

クリティカル・シンキング: 「サステナブル=善」という短絡的な理解ではなく、その裏にある副作用や欺瞞を英語で読み解く力が、合格への分水嶺になりうる!

もしあなたが新旧両方を持っているなら、ぜひ以下のことも見てみてください

  1. 「対照読解」による時代感覚の養成
    「経済」や「医療」の章を読み比べ、20年で語彙がどう入れ替わったか(例:ITからAIへ、尊厳死の扱われ方)を確認する、とか。
  2. 背景知識レクチャーを「現代文」として読み込む
    本書の日本語解説は、もはや質の高い解説書です。ここを熟読することで、英語のみならず小論文や現代文の対策も同時に完結します。頑張れよ。
  3. 「探求課題」も熟読して自分なりに意見を考えてみる
    巻末の食料問題や地政学リスクは、自由英作文の「自分なりの意見」を組み立てる際の最強のソースになり得ます。

まとめ:リンガメタリカを教養として読む

『リンガメタリカ 改訂第2版』は、単なる「受験の道具」ではありません。

情報の荒波の中で、安易なプロパガンダや「実験」に飲み込まれないための思考の盾になることでしょう。(誇大広告?一円も貰ってません。😅)

最後に、新旧比較してみて、かなり内容は一新されたという感想です。

両方お持ちの皆さんはどう感じましたか?

 

この記事を読んで「リンガメタリカ」に興味を持ったあなたへ:

まずは、第1章の「優生学」や、巻末の「幸福のパラドクス」をパラパラと眺めてみてください。そこに、あなたがこれから英語で戦わなければならない「現実」が詰まっています。

面白いから、買って損はないと思いますね。

 

と、今回は『リンガメタリカ』の深読みをしてみました。

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