佐賀県は30.1%!!!
佐賀県は、30.1% これ、何の数字かわかりますか?
佐賀県内の中学生の英語力に関する数字です。みなさんは、CEFRという世界共通の基準をご存知でしょうか。CEFR(セファール)は欧州評議会が定めた「外国語学習者の習得状況と言語運用能力」の基準です。ざっくりいうと、英検3級程度がA1レベル英検1級がC1レベルに該当します。さて、前述の数字30.1%が何を表しているかというと、佐賀県のA1レベル相当以上を取得またはその能力を有すると思われる中3生の割合です。この数字を見て「思ったよりも高い」と感じた方がどれくらいいらっしゃるでしょうか。きっと10人中3人も英検3級程度の生徒がいるのか、佐賀県は思ったよりも頑張っているという意識の人が多いのではないか、きっと「まあ、そんなもんか」と思われているだろうなというのが、一般的な佐賀県内の保護者さん、生徒の反応なのではないかと思います。では、この数字が客観的にどのような数字かをみていきましょう。
全国平均は50.0%
そこで、全国平均よりも約20%低いということをどう捉えるかですね。「全国平均だと、半数が英検3級程度。2人に1人は英検3級程度。ちょっと負けている感じかも」といったところでしょうか。いえいえ、ご存知だと思いますが、佐賀県の中3生のこの数字、全国最下位なんです。「データが古い。今は頑張っているのでは?」と思われた方、これは2023年度に文科省から出されたデータです。これは中学だけのデータなので、高校生になるとB1以上(英検2級程度)相当者のパーセンテージが少し順位が上がって42位。そんなに上がっている感じでもありません。ではここから、なぜ佐賀県の中高生の英語力が低いのかを次に考えていきたいと思います。
教員の能力の問題?それとも生徒自身の問題?
さて、本題に入ります。文科省では、佐賀県の教員の中でB2(英検準1級)以上取得者のパーセンテージが中学の教員では40.7%で29位、高校の教員に至っては94.9%で3位。つまり、教員の英語能力とはほとんど相関がないことが考えられます。強いて言えば、中学教員の能力がやや低いと考えることができなくもありませんが、福岡県よりもB2以上取得率は高いのであまり関係があるとも思えません。では、教え方の上手い下手が関係しているのか、という議論になると思うのですが、私は生徒さんを見ていて「英語のできるできないは、教え方とはあまり関係がない」と考えています。では、生徒の能力の問題かというと、佐賀県に能力が低い生徒が集まっているとも考えられません。それは、英語は、「やった、やらない」「覚えた、覚えていない」が大きく関係している教科だからです。英語力を測る基準がほとんど「英検」なので、英語力は暗記ではないと思われがちですが、英検のリーディングは語彙問題の比率が高い、つまり「暗記」が重要です。外部試験受験者数が80%以上の都道府県・主要都市で平均を下回ったのは、秋田県と札幌市のみです。ですから、英検などの外部試験を小中学生の頃から受け続けることが鍵だと思うのです。高校に入れば英検の受験者数が佐賀県では上がります。でも、学力はあまり変わらない。結局、中学のベースが出来ていなければ高校からやり始めても追いつくことが非常に難しい科目であると考えることができるのです。その原因を作っている大きな原因の一つに「小学生は塾に行く必要がない」「高校で塾代がかかるから中学までは自力で頑張る」という考え方だと思うのです。塾としては、まったく逆の考えで、初期投資が大きければ高校に入って大きくお金を使う必要がなくなるし、学習習慣や独学で理解できるだけの能力が身につく可能性もある、と。そのように考えます。
英検を受けるメリット
少なくとも、試験前は英語を学習します。定期的に受験すれば、習慣的に英語を学習するようになるということは言えますね。目標もはっきりしているので、何を学習しなければならないかが明確になります。そして、大学受験では加点対象になる大学が多く、高校受験でも、推薦などに活かすことができます。
まとめ
早めに学習を始めること。そして、英検などの試験を受け続けること。それが大事だと思います。迷ったらすぐ実行してみる。子どもが自分から言い出す環境にいらっしゃらないのであれば、保護者さんの方から勧めて英検を受験してみられるといいと思いますよ。