電子辞書どっちがいいのか問題について語ろう

今日は、定期的に浮上する紙辞書、電子辞書どっちがいいのか問題について

結論から言うと、どっちも使うべきだと私は思います

高校では、電子辞書を持っていくのが一般的のようですが、小中学生ではまだまだ電子辞書の使用が禁止になっている学校も多いと思います。英作文でも「紙の辞書は将来使われなくなると思いますか」「紙の辞書と電子辞書のどちらがいいと思いますか」のようなトピックをよく見かけます。個人的には使い分ければいいのだと思うんですけど。では電子辞書禁止の学校に通われているみなさんは、どうすればいいか。

「学校では紙辞書を使い、家では電子辞書を使う」

もう、何なら辞書じゃなくてスマホでもいいのではないかと思うんですけど、スマホの使用の方がもっと禁止されていると思うので、家でも学習中はスマホではなく電子辞書を使っていくのがよいかと思います。スマホは辞書以外の機能が充実し過ぎていて、受験が差し迫っている高校生に比べて小中の生徒さんたちには誘惑が多すぎるのでお薦めしません

「しかし、なぜ学校では紙辞書を推奨しているのか、あるいは電子辞書の使用を禁止しているのか」

いくつか理由はあると思うんですけど、先生自身が電子辞書のことをあまり知らないということなんじゃないかと思います。先生の中には、個人的に使ってもいいと思っている方もいらっしゃると思うんです。でも、今まで使わないという決まりだからあえて変える必要はないかなと思われているのかもしれませんね。絶対に紙の辞書という人は、紙の辞書のメリットにしか目が行っていないのかもしれませんし、そこを説得するのは難しいです。では、なぜ電子辞書も使った方がいいのか。

電子辞書のメリット

・検索が速い

・綴りなどの曖昧な言葉も調べられる

・数十冊分のデータが収録可能(さらにコンテンツを追加できる)

かさばらない

音声が聞ける

・図や画像も確認できる

など、他にも便利な機能がたくさんあります。しかし、中高生に電子辞書をお薦めする最大の理由は、検索速度の速さにあります。って、電子辞書をお薦めしている側に回った感じの書き方になりましたが、紙の辞書がいけないのではなく、電子辞書のメリットはその検索速度の速さ携帯性、特に英語は音声確認ができることなど、メリットの方が多いからです。なぜ速さなのかというと、受験までに与えられた時間が限られているからです。紙の辞書の方がすぐれた部分もあるので、家で引き慣れていた方がいいのですが、それでも電子辞書も使った方がいいと私は個人的に思っています。

アクセスに時間がかかると人はやらなくなってしまう

なぜ、「時間がかかる」とか「かさばる」ことがよくないかというと、人はある動作にたどり着くまでに時間がかかってしまうとその行動をやめてしまうからです。かさばって持ち運べないものはそのうち使わなくなってしまうのもそうです。教科書ですら「重いので学校に置いています」という人もいますよね。何か一つ動作が加わると、例えば「箱から取り出す」などの動作が加わると「面倒臭いなぁ」ってなりませんか。以前、「絶対にやらないといけないものは、すぐに取り掛かれるように、机に広げておくといいですよ」と言っている先生がいらっしゃいました。すぐに取り掛かれるようにするには、工夫が必要なんです。もうね、たどり着くまでに、どうでもいい些細な決断とか行動をしていくうちに、やる気を少しずつ消耗しているんですよ。

中学生からの意外なご意見

「自分は、電子辞書を使った方がいいと思う。でも、反対意見の中には、他人の電子辞書を故意にではなく、何かの拍子に落として壊した場合、誰が責任を負うのかが問題じゃないか」ということでした。落ちる場所に置いておく本人の責任だと私は思うのですが、みなさんはどのようなご意見でしょう。でも、ネット上で調べたところ、「過失による破損は、壊した側の責任」で、壊した側が弁償することになるようです。ただし、電子辞書はちょっと落としたくらいでは壊れないくらいタフなものが多いので、そこまで神経質になる必要があるのかどうかとも思うのですが。やはり、中高生にとっては高額の持ち物なので、壊したら大変だと思う人が多いのかもしれませんね。大人から見ればそんなことを気にしているのかって思ったりもするんですが、きっと「よく壊す人」も存在しているのでしょう。うっかりしている人、うっかりし過ぎている人、うっかりのレベルを超えている人、たまにいますもんね。でも、タブレットはよくて電子辞書はだめというのは理由がよくわからないんですけどもね。タブレットの方が壊れやすいのではないんでしょうかね。それに、高校生は電子辞書を学校指定で買わされているところもあるので、なぜ中学校はだめなのかも疑問です。高校は義務教育から外れているから「買うも壊すもすべて自己責任」なんでしょうか。しかし、学校がそこまで紙辞書の使用を推奨している理由は、メリットがあるからだと思うんです。

紙辞書のメリット

紙辞書の最大のメリットは、引くことでその周辺に収録された語も視界に入ってくることと、用例をたくさん見ることができることとよく言われています。また、紙の方が電子端末よりも記憶に残りやすいということなどは科学的にも証明されているようです。娯楽のための読書には電子端末でいいと思いますが、データを集めて論文を書いたりするときは紙の方が見やすいですし、頭に残りやすいです。そもそも紙を使わずに資料を揃えるのは、大変です。書き込んだり貼ったり剥がしたりが容易というのもメリットではありますが、電子端末の場合(特に小説など)ページをめくってもめくっても相変わらず同じページを開いているような感覚になりますね。

それでも電子辞書を使うべき理由

使うべきというと語弊はありますが、電子辞書を併用した方がいい理由は、何度もいうようですが、その手軽さにあります。辞書機能以外の便利すぎる機能がついていない硬派な辞書なら、タブレットやスマホのように、気が散って他のアプリを触ってしまうということもありません。時間を有効に使うなら、いつでもどこでも電子辞書を引き、家で学習する時は紙の辞書をじっくり引くというのがいいのではないかと思います。

今、とても学習しやすい、いい時代になったなぁと思います。オンラインの無料辞書のことなども、また別の機会に。

じゃ、またこのブログでお会いしましょう。

読解問題はどうやって学習する?

 読解問題を解いている時に、終盤で時間が足りなくなる人は多いのではないでしょうか。「文法なら単元別に学習できるけど、読解問題って、効果のある学習方法があるんでしょうか」と思われたかもしれません。一般的には、「音読」が効果が高いと言われています。では、まず確認です。今やっている読解問題は、どのような目的の問題集かはっきりしていますか?そして、ご自身の学習目的に合った問題集を選んでいますか?

例えば

英検読解リスニング対策」

市販読解問題集のシリーズ」

共通テスト型マーク問題

など。

目的別におすすめのテキストをあげておくと、

英検対策…「でる順パス単」「英文法テキスト」→「文単」「過去問

●市販の読解問題集…「普段使っている単語帳」「英文法テキスト」→「読解問題(CD付)」→「解く・答え合わせ」→「内容理解」→「音読」

●「共通テスト型マーク問題」…「普段使っている単語帳」「英文法テキスト」→河合、Z会、駿台、東進マーク問題を解く

というのがおすすめ。すべてに共通するのは、単語帳を先にある程度やっつけておくことです。単語をほとんど知らない状態で読解問題を解くと辞書なしでは読めないので非効率です。テキストのレベルを落としても、シリーズのレベルが上がると急に読めなくなってしまうので結局単語を覚えないと先には進めません。「1年の時からの単語の蓄積がまったくないので時間が足りる気がしない」という高3生は、共通テストマークの過去問を、一度解いてみてください。そして、大いに焦ってください。結局、その焦りがないから今があるのだと思います。まだ、間に合うから単語を覚えましょう。根性は不要。必要なのは覚える習慣です。そして量をこなすこと。単語だけでもある程度覚えられていたらそこそこ読めるようになります。しかし長い文章を正確に読むには英文法の知識が必要です。その前に、英語が苦手な人は単語を覚えていなくて、手も足もでないということが多いのです。では次に、具体的にどうするかを書いていきます。

まずは自分に合った単語帳を選ぶこと

単語は文中で覚えるという人は「文で覚える単熟語」「速読英単語」などがおすすめです。しかし、これはどちらかというと単語を覚えるのが得意な人向けです。蓄積が少なくて、単語帳なのにいきなり文を読んで覚えるのに抵抗がある人文法テキストと並行して「1語1義系単語帳」(『旺文社ターゲットシリーズ』『でる順パス単』など)を使うことを推奨します。1日100単語ずつ心ゆくまで回していただきましょう。1日で覚えられなくても翌日は次の100語に。そうしないと、最初の100語だけで高校生活が終わってしまうから。忘れたらまた戻って繰り返せばいいじゃないですか。一度に覚えられると思わなくてもいいんです。逆に一度に覚えようとするから3日と続けられないのかも。単語は長丁場です。覚え切ると決めた単語帳があれば、きっと覚えられますよ。

文で覚える系単語帳」(いわゆる英検向けの『文単』、受験単語帳『速単』)は、読解練習用に使うことをお勧めします。収録単語の総数がやや少ないので、効率的とは言えませんが、読解力とリスニング力アップには効果を発揮します。使い方は、英検の読解問題対策のやり方と同じです。では、本題。英検の読解問題対策から。

文単』『速単』を使ったリーディングの学習法

ここでは、読解問題が速く正確に読めるようになるための練習方法を書きますが、最短合格を考えているなら英検読解問題対策をメインに持ってこないこと英検ライティングから対策をします。8割~満点が目安です。英検リーディング語彙問題にウエイトが置かれているので、ライティング語彙問題対策をやった上で行います。『文単』は、左ページに英文、右ページに日本語訳の対訳になっていますので、左ページを読めるところまでそのまま読んでいきます。知らない単語や意味が取れない箇所は、和訳を見て隙間に書き込んでいきます。単語帳の文法は単語を覚えることを目的としているため、あまり複雑ではありません。返り読みせず頭から読んで意味が取れるようになるまで精読します。頭から読むためにスラッシュを入れて読んでいくと読みやすいです(あまり入れすぎない方が読みやすいです)。解釈が完璧になったら音声を聞いて、止めて、音声を真似します。そこで「カタカナ」になったり「セリフをカミカミ」にならないように音声に似せてください。その際、テキストは見ながらで構いません。一文が長い場合は区切って止めて練習します。よく聴けば読み手がどこで区切っているかがわかると思います。再生速度を落として、最終的に標準スピード以上で真似できるようになるまで頑張りましょう。

英検の読解は、基本的にそうやって『文単』でできるだけ学習して、過去問を解いて仕上げるのがよいかと思います。読解対策といっても、何度も聞いて繰り返すのでリスニング力がついてきます。リスニングは、準1級までなら過去問をたくさん聞くだけでも合格点が取れてしまうことが多いですが、この学習方法は、「リプロダクション」と言って、完コピをすることによって読む、聞く、話す、力がついてきますので、すべての人にお勧めしたい学習方法です。

市販の読解問題集の使い方

これも、後半にやるべきことは前述の「リプロダクション」ですが、普段使っている単語帳がある程度頭に入った状態で始めます。音声と文構造の解説付きのものを選んで、内容を理解した後、頭から読んでいきます。スラッシュごとに和訳があって後戻りしないで読めるものなど、学習しやすい教材がたくさんありますから、書店で実際に手に取ってみられるといいでしょう。音声がついているものであれば、学校教材でも模試の過去問でも構いません。みんなが言っていることだと思うけど、よく理解したものを音読することが大事です。みんなね、参考書を買いすぎ。そして最後まで行ってなさすぎ(笑)。

最後は、さらっと共通テスト対策問題集について

共通テスト型のマーク問題は、学校で渡される教材も含め、3、4冊やっておかれるといいのではないかな。ちゃんと読めるならそんなにやらなくてもいいんですけど。共通テストはセンターよりも読む量が増えています。純粋に英文読解力というより「情報処理能力」が問われる問題なので、グラフを見たり、パッセージをいったり来たりして解くのが苦手なら訓練が必要です。ほぼ共通テストのみで勝負する人は特に、これ以外は解けなくてもこの形式だけは解けるという状態にしておきましょう。「文法、単語暗記ができていないけど、共通テストでいい点をとりたい」という人は、まず全体を時間無制限でどの程度解けるか、試しに1回分解いてみてください。そしてショックを受けてください。「文法、単語暗記の後に…」と考えていると、たいてい「まだ時期じゃない」とか何とか言ってマーク型の問題演習がほとんどできない状態で試験に臨むことになるのではないかと私は思っています。マーク型の問題演習をするメリットは、読む量が多いこと。学習量がもともと少なかった人には、一冊で学習量が爆上がりする問題集です。一冊仕上げた頃には、単語や文法を勉強しないと太刀打ちできないと感じるかもしれませんし、すでに合格点がとれるようになった人は達成感が得られるのではないでしょうか。新しい版が出るのは6月下旬から7月上旬くらいなので、中古で今年度版を買われるのもよいかと思います。東進の緑色のテキストはリーディングに音声がついています。

まとめ

・「単語帳」「英文法テキスト」→文で覚える系単語帳→読解問題集

の順に学習しましょう。特に、文で覚える系単語帳はしっかりやりこむといいですよ

結局、どの教材を使おうと、毎日継続できることが大事。はじめは「少ないかな」というルーティーンを組むくらいがちょうどいいです。大抵の場合「今日は試験が終わったから、頑張って徹夜で勉強したから、ルーティーンはお休みしよう」と、理由をつけて休んでそこからルーティーンが崩れていきます。徹夜明けでも毎日やるのがルーティーンです。徹夜明けでも風呂には入るし歯磨きもするでしょう。歯磨き、飯、風呂、英単語。

じゃ、またね。

リスニングってどうやって学習するの?という疑問に答えていくよ

また前回の投稿からかなり時間が経ってしまいました。今回は、リスニングについて書いていきたいと思います。「リスニングって、繰り返し聴いていれば聴けるようになるのかな?」「繰り返し聴いているのに、点数が伸びない」とか、いろんな疑問があると思います。でも、あまり学校で「リスニングはこうしてください」と指導されることなく、ただ教材を何となく渡されていたりしませんか?ここでは、どうやって学習していくかを考えていきます。

2回聴けば内容がわかる場合

英検2級レベルくらいまでは、リスニングが得意な人が多いのではないかと思いますが、英検準1級になると、リスニングが難しくなってきますよね。でも、2回繰り返せば大抵正解できるという場合は、聞き慣れるだけで解けるようになってくるので、一定期間集中して試験に応じたリスニング教材(過去問)を学習するといいと思います。

何回聴いても内容が入ってこない人は…..

そうは言っても「自分は何回聴いてもまったくわからんのです」という人もいらっしゃると思うのです(そういう状況だから、このサイトに辿り着いたのかもしれません。違うかな)。そういう場合は、一度スクリプトを確認してみてください。「スクリプトを見たらすべて内容が頭に入ってくる」しかも、「かなり早いスピードで読める」というのであれば、音がくっついたり、発音されなかったりする「音の変化」が理解できていないのかもしれません。音が原因なら、ディクテーションをやってみるのがおすすめです。

「スクリプトを見てもわからなかった人」は?

スクリプトを見てわからないということは、つまり、「読めていない」ということですから、読解の訓練が必要になってくるわけです。「読む」行為は、目を使って内容を理解しますが、「聴く」行為は、耳を使って内容を理解することなので、最終的にやっていく訓練方法というのは一緒なのです。「繰り返し聞いていればいつか聞こえてくるようになる」と信じて流しっぱなしで英語を聴いているだけでは、残念だけど聞き取れるようにはなりません。じゃ、どうする?

結論:読解の訓練をしてみましょう

まずは、今解いている読解問題やスクリプトに出てくる単語やイディオムなどが覚えられているかどうかをチェックしてみてください。もし、1文を読んで毎回知らない単語があるなら、きっと読むのに苦戦するはずです。いずれ覚えないといけないので、後回しにせず、今から覚えていかれるといいですよ。単語は、1語1義でひとまず覚えることをおすすめします。これを読んでいる人がどのレベルにあるかによると思いますが、中学単語までは綴りを覚えないといけません。「書いてください!」。時代に逆行してる?とりあえず、中学単語までです。どうしても覚えられない人こそ書いて覚えた方がいいですよ。1回に覚える量は、100語くくりです。「でも、どうやって?」という人には、「単語の覚え方」を近日中にアップする予定ですので、そちらを参考にしてみてください。100語1語1義で覚えながら、文で確認して覚えていきます。英検でいうと、「パス単」を短期間で覚えて(とりあえず見たことがない状態から脱するためです)「文単」で使い方を確認しながら聞いて音読して覚えるという感じですね。「単語が並んでいるだけの単語帳で覚えない方がいい」とか「文で覚えた方がいい」という人もいます。そっちが向いている人もいますが、その人たちは「潜在的に能力が高い人」であったり「英語を長時間学習してもつらくない人」であったりします。大抵、単語レベルでつらい思いをする人が単語を文中で覚えるのは、挫折の元になりかねないので、あまりおすすめできません。

単語の覚え方や読解問題学習についてはまた別の記事に書いていきます。

まとめ

・2回聴けばわかるレベルの人は、試験の過去問などを聞いてから試験にのぞむ

・何回聴いても聞き取れない人は、まず音が聞き取れるようにディクテーションをしてみる

・スクリプトを見てもそもそも理解できない人は、読解訓練をする(→読解訓練の方法は、また後日!)

今日は、そんな感じ。じゃあね、さいなら。

【中3生対象】「英語はどこから手をつけたらいいですか?」という質問に回答します

 今日は、「どこから手をつけたらいいのかわからない人」向けの記事を書いていきます。

 塾に行くのも一つの選択肢ですが、「英語だけわからない」「塾に行っても続かない」など、いろんな理由で現在塾に通っていない生徒さんがいらっしゃると思います。今から「塾に行かなくてもこのやり方をまず試してみて!」ということを書きます。それで結果が出れば塾に行かなくてもいいし、やはり塾に行く必要があると思われたら塾に通ってみられるのがいいと思います。ここでご紹介する方法は、次の3つです。

1. 教科書の単語をすべて覚える

2. 不規則動詞の活用を覚える

3. 教科書の文法を学習して和訳を確認→音読(できればオーバーラッピング)

 でも、このサイトに、しかもこの記事にたどり着いたということはそのどれもが続かなかったからではないかと思います。特に、1番目の単語暗記でつまずいているのではないでしょうか。では、無理なくたくさん単語を覚えることは本当にできるのでしょうか。

 教科書の単語を覚えるには

1. 発音を確認する

2. 実際に発音する

3. 書いて綴りを確認する(高校生は書かなくてもいいということにしています)

という手順で学習することを推奨しています。

必ず音は確認しましょう。発音記号が読めなくても音声は確認できますから、教科書の音声を使いましょう。そして実際に発音してみましょう。そこまでは、音声さえあればすぐにできますね。現在はNEW HORIZONBLUE SKYなどの教科書の音声がパソコンやスマホなどで簡単に確認できるようになりました(羨ましい。その世代ではない私は軽く嫉妬しています)。

 でも、そのやり方はやってみたけど効果がなかったという人はどうしたらいいのでしょうか。効果がなかった理由は、続けられなかったからでしょうか。続かなかった人は、もう少し掘り下げて考えてみてください。3日も続けたのに、1ヶ月も続けたのに、2ヶ月も続けたのに、まったく効果がなかったのだとします。例えば、3日どれくらいの量を声に出して発音したか、どれくらい書いたか、思い出してみましょう。おそらく、やったつもりが殆ど発音していない、ほとんど書いていない状態なのではないでしょうか。アルファベットを書くのに時間がかかる人は、単語を書くのに時間がかかります。少し時間をかけて学習する必要があります。3日、1ヶ月続けても効果がなかった人はそれ以上続けないと効果がでないのかもしれませんね。量が不足しているのではないでしょうか。よく言われることですが、英語学習でやることは、スポーツに似ています。単語暗記は、素振りやドリブルのような基礎練習に似ています。退屈だし、わりと大変です。素振りとかランニングとかドリブルとかの方がもっと大変だと思いますか?そうですか?それなら単語暗記はできますよね。楽勝じゃないですか!じゃ、今すぐやりましょう。

 また、「書かなくてもいい」「書いたら時間のロス」「目にする回数が多くなれば覚えられる」という言葉を鵜呑み(うのみ)にしていませんか?確かに高校に入ると覚える量が増えるからいちいち書かないで覚えた方が効率的だと思います。中学で覚えた基本単語と形が似ているものが多く、ぱっと見ただけで「音がわかる」など、書かなくても覚える基礎が出来ていると書く必要はなくなります。しかし、中学単語は書いてください。書いた方が覚えやすいと思います。書かなくても最初から覚えられる人はラッキーだと思いますよ。そういう人は書かないと覚えられない人より時間が短縮できるので、音声を聴いて見て発音してガンガン覚えていきましょう。意味も必ず覚えてくださいね。それでも、つまらないし飽きてしまう人は、不規則動詞から覚えていくとよいでしょう。当塾では、単語が覚えられない生徒さんには、不規則動詞から覚えていくように指導しています。

 不規則動詞の活用は、高校で学習するものまで一気に覚えるといいよ!

 不規則動詞は、原形ー過去形ー過去分詞の3つを一気に覚えます。単語の意味がわからない場合は、意味も一緒に覚えますが、ひとまず活用だけ、例えば、

CUT – CUT – CUT, PUT – PUT- PUT, HIT – HIT – HITのように、覚えます。

よくある誤りでTHINKの過去形をTHANKと覚えちゃう人がいるんですね。これは、

THINK – THOUGHT – THOUGHTと音で覚えるとTHANKにはならないです。

つ覚えると語呂がいいので、覚えられない人でも覚えられるようになるのではないかな。1ヶ月やっても覚えられない人は多いです。もともと「まったく覚えられない」とか言っている時点で「自分はすぐに覚えられる人間ではない」ということを悟りましょう。半年くらい継続すると中学で学習する不規則動詞はほぼ完璧になります。その頃には、他の誰よりも「不規則動詞だけは知っている」状態になっているはずです。不規則動詞を覚えていく間に、単語を覚えることが習慣になれば、単語が覚えられるようになっていくかもしれませんね。

 最後に、教科書に出てくる文法をマスターすることについてです

 教科書の文法は、副教材として学校から渡されるWinpass必修テキストなどで十分学習できます。学校で渡された問題集を学習してから市販テキストで確認してもいいですが、学校の副教材だけでも本当は十分なんです。ただし、使い方によるのですが。

 多くの場合、「じっと考えて解いたら正解。正解だから復習の必要はない」と思いがちです。しかし問題はそこからです。考えて解けた問題をすぐに引き出せるようにスピードを上げていくのが英語の基本的な学習方法です。文法問題をたくさん演習して教科書にもどり、教科書を音声にあわせて音読することができれば、とりあえず基礎は大丈夫。

 以前、「初めはローマ字も書けなかったのに、教科書をやりこんで文法問題をたくさん解いたら中学の間に英検2級まで合格した」という生徒さんがいらっしゃいました。彼女も、「単語を覚える時は音を確認してから覚えること」が大事だと言っていましたね。

 「単語帳を覚えても、順番で覚えたら意味ないってお母さんがいっていました」と先日言われましたので、「単語帳をすべて場所で覚えるくらいマスターできているのか」を尋ねました。実際に、単語帳をやりこんで場所で覚えた人もいました。

「覚えにくかったページは、その並び順にすべて引き出せます」だそうです。

 まとめ

 まずは、やってから駄目だったら他の方法を試してみたらいいと思います。なるべく短時間で効率よく暗記できないかと思っている人が多すぎますね。実際、やってみる前にその方法では覚えられないと言ってやらないより、とりあえずやってみるのがいいと思います。効率のいい方法は人によって違いますから、いろいろ試してみて、その失敗からより自分に合った方法を探してみてください。

 でも、覚えられないという人はほとんどの場合、量をこなしていないです。

 質より量ですよ。

本番に強い子と本番に弱い子

受験というのは本番一発勝負です。

NPBやJリーグのように
シーズン通して戦うようなリーグ戦ではありません。

受験本番にどれだけ点数が取れるか、
受験生全体で何位かで結果が決まります。

このような形態を取ると、
実力十分の人が実力を発揮出来なかったり、
逆にジャイアントキリングが起きたりするのは、
甲子園などのトーナメント方式一発勝負の
スポーツでもたまに見られますね。

受験の場合だと「本番に強い・弱い」
と言われることが多いでしょうか。

この本番に強いか弱いかというのは、
勿論 精神的な強さが大きく関わるでしょう。
緊張して力が発揮出来ない人や
逆に大舞台に張り切って覚醒する人もいます。

しかし、もう一つ大きな無視できない要因があります。
それは「適性」です。

スポーツで例えるなら(私は野球が好きなので野球で例えますが)
野球日本代表が国際試合で実力通りの結果にならないことがあります。
それは特に投手に多く、ボールが普段使っている国内のボールではなく、
海外の滑りやすいボールが試合球として使われ、
投球の感覚が狂ってしまう場合です。
他にもマラソンなら開催地の気候であったり、サッカーなら芝の長さ、
競馬だと特に顕著に馬場やコース、距離などなど...

競技を取り巻く環境次第で結果が大きく変わります
それは受験においても同じことが言えるでしょう。

いつもの学校、いつもの教室で受ける定期テストでは上位だが、
いざ本番の受験ではダメだった。

統一模試では成績が悪く合否判定もEだったが、
いざ蓋を開けてみれば合格していた。

このような例は勿論本人の実力、努力も大きいですが、
「適性」も関わったことでしょう。

ではこの「適性」とは何か。

一概にいうことは難しいですが、
例えば数学において計算のスピードが速いというのは、
共通テストへの適性があると言えます。
共通テストの数学は問題量の割に時間が短いです。
しかし、問題自体は誘導が大量に付いているマーク式なので
数学的思考よりも計算のスピードが求められます。

英語で配点の中で長文の割合が多いならば、
語彙や読む速さがあれば有利になります。
対して、文法知識は文意を読み取ることが出来たらカバーしやすく、
文法知識の欠如が即失点には繋がりにくいでしょう。
逆に文法問題が多いなら、文法が分からないと得点しにくいです。

この「適性」を軽視することは危険です。
入試問題というのは学校や大学ごとに大きく特徴が異なります。
その分析をよくせずに受験に臨むことで、大きな不利を抱えかねません。
「敵を知り、己を知れば百戦しても危うからず」とは孫子の言葉ですが、
敵を知らずに足元をすくわれないようにしたいですね。
終わった後に「本番に強いね」と言われるように。

やる気はどこから生まれるか?

勉強のやる気というのは、そう簡単にわくものではありません。
勉強しておけばよかった、という後悔は沢山わいてきますが。

そのような後悔の念を抱えて、
子育てをしている大人は、ご自身のお子さんに
「やる気を起こして勉強して欲しい!」と思われるでしょう。

しかし、実際に親の言うことを素直に聞いて勉強に励む子供はごく少数です。

この問題に対する解答は、凄まじい数が世に溢れています。
教育に携わる者にとって永遠のテーマですから、
それに対する自分の考えは表明したいものです。
(私もその一人です)

最近はこの問題に対して経済学が関わるようになりました。
流行りの「行動経済学」というやつです。

この学問の研究によって判明したことは沢山あります。
例えば、「成績が良ければお小遣いをあげる」という
家庭内制度は子供の成績を下げます。
なぜなら、子供にとってこの制度は
「お小遣いをもらわなければ、成績は悪くてよい」
という意味に変化していくからです。

ならどうすれば行動経済学的に正解なのか、
という話はここではしません。

というのも、別に行動経済学は完璧な学問ではありませんから。
(完璧な学問など存在しませんが)

もし仮に行動経済学が完璧なら、
それを駆使した大学の行動経済学の講義は
学生をやる気にさせ、素晴らしい学習機会になるはずです。
しかし、私は大学で行動経済学の講義を一回落としましたし、
次の年単位を取ることだけを念頭に置いて受講しました。

あくまで大多数に効果的なだけで、
必ず効果があるわけではないのです。

流行りの否定だけでは建設的ではないので、私自身の考えも述べます。

そもそも、動物というのはやる気がないものです。

肉食動物のライオンは、満腹で快適な状態なら動かずダラダラしています。
その様子は動物園で見ることができます。
餌があり安全が保証されているなら無駄にエネルギーは使いません。

サラブレッドの競走馬は、本能的にレースで全力疾走している訳ではありません。
本来、馬が全力疾走するのは外敵に襲われたときです。
それを人間が調教して全力疾走させているので、
現役の競走馬には凄まじいストレスがあるとされています。

人間も同じです。
今の人類になって1万年ほど、
勉強を始めたのはここ数百年からです。
本能的にダラダラしますし、無理に全力を出せばストレスになります。

ではどうするのか?
今、子供たちが勉強していることも原初は余暇で労苦ではありませんでした。

狩猟採集している人類が興味本位で種から植物を育ててみたり、
古代ギリシア人たちは農作業の傍らに星の位置をよく見てみたり、
偉大な科学者も通貨管理局に勤めながら科学を探求してきました。

これらは今は教科書に書かれていることですが、
探求した人間がいるから教科書に載っています。

今いる子供たちにとっても最初から勉強は労苦ではなかったはずです。
小学一年生から勉強が嫌いでやりたくないと言う子はいないです。
なぜなら、最初は簡単なことからやるため理解できるので興味を持てました。

それが段々理解できなくなると、興味がそがれていきます。
「できた!」という喜びはあまり変わらないのに、
子どもからしたら労力は増えていく一方です。

社会人なら誰しも経験しますが、最初の頃の給料は嬉しかったはずです。
しかし、仮に量も責任も年々増えていくのに、給料一定の会社に勤めますか?
たとえ勤めていてもやる気は起きないし、手を抜くでしょう。

子どもにとっての勉強も同じことが言えます。
大人にとっての労働給料の関係は、
子どもにとっては勉強理解です。

出来て嬉しい、分かって嬉しいという報酬なしに
勉強のやる気は起きません。

つまり、いかに勉強させるかよりも
どれだけ分かる喜びを提供できるかが重要になります

その為には褒めることや簡単な問題を出すことが有効です。
いきなり完璧な形で解答できることを期待してはいけません。
答えを見ながら、教科書を見ながらの学習でもいいのです。

理解や到達点を見えやすくしてあげる。
その為に正解を見せてもいいのです。

やらない理想の勉強よりも、楽でもやる勉強。
実現できない理想は毒になりかねません。

現代文は『暗記』が武器になる?

「現代文ってどうやって勉強していいのか分からない」
「現代文は才能」
「現代文は本を沢山読めば出来る」

現代文ほど個人で勉強しにくい教科もない。
これが一般的な評価だと思います。

同じ国語でも古文や漢文は、単語や文法の暗記でどうにかなる。
現代文で出来る暗記なんて漢字くらい、と考えられがちです。

でも実際、現代文にも『暗記』が出来ます。

というのも現代文で出てくるテーマはそんなに数が多くないからです。

このテーマというのは、例えば「異文化交流」「男女平等」「環境保護」などなど
現代社会や世界が抱えている問題に焦点を当てたものがほとんどです。

そして、それぞれにパターンがあります。

「異文化交流」なら大抵、比較される文化が2つ出てきて、
1つはほぼ日本文化で、出題文の筆者は日本人です。
さらに交流するもう一つの異文化が出てきて、
その文化と日本文化の共通点や異なる点が出題文中で語られています。

日本人である筆者が、異文化の中で過ごす内に気づいた
「外から見た日本文化」というのがよく出てきます。
(例えば、西洋と比較して日本人は自分の意見を主張しない、とか)

その後に、筆者が2つの文化を比べてそれぞれを批評します。
大体、長所と短所を1つずつか、日本文化の改善すべき点をあげます。
ここが筆者の考えって奴です。

そして設問を読んでみると
「2つの文化の共通点と異なる点をあげよ」
「筆者の考えを説明しなさい」
なんて問題が出題されがちです。

このようにテーマごとに文の構造と出題パターンはかなり似ています。
「文化」なら2つの比較、「環境」なら自然と人工の対立、
「平等」なら現代社会の抱える矛盾や問題…

というように「お決まりのパターン」が存在します。
これを知っておくと、出題文を読んだ時に
展開を読みやすくなり理解しやすくなります。

さんざん見たドラえもんのアニメの展開が読めるように、
現代文も展開が読めるようになります。

のびたがドラえもんに頼って、ひみつ道具で調子に乗って
最終的に失敗するんでしょ?といった具合に、

破壊されている自然環境があって、それは人間社会の都合だけど
最終的に人間に悪いことが返ってくるんでしょ?(森林伐採や温暖化)
と展開が読めるようになります。

このパターンを知っているかいないかで理解のしやすさは段違いです
理解がスムーズなら、筆者や設問の意図が把握しやすくなり、
高得点の解答に繋がっていきます。

このパターンの暗記方法ですが、
手っ取り早いのは社会の「倫理」を勉強して
人類がどのように思想を進歩させてきたのかを知るのが近道です。

詳しくはまた…

偏差値で志望校を決めていいのか?

受験を控えている中学生や高校生、そして保護者の方々、
志望校ってどうやって決めますか?

人それぞれの夢や目標があり、そこから志望校がリストアップされ、
その中で自身の成績や学力から受かりそうなところを第一志望にすると思います。
そして、その成績や学力という指標は、「偏差値」で決めるという人がほとんどでしょう。

例えば、自身の偏差値が57で、
行きたいと思っている学校のうちの一つが偏差値55なら、
まぁ受かるかな?となりますね。
でも本当に行きたい学校の偏差値が60だったらどうでしょう?
ちょっと厳しいかな…と思いますよね。

こんな風に偏差値をものさしにして、志望校や受験校を決めるのが主流でしょう。
ただこの決め方、大きな落とし穴があります。
ずばり、その学校の偏差値は正しいのか?

一例として、大学受験で東大なら偏差値70で、
高校受験で佐賀西なら偏差値69です。
これは東大受験と佐賀西受験が同じ難易度ということではありません。
(そもそも大学と高校だし)

偏差値というのは、あくまで相対評価でのものさしです。

東大と佐賀西の偏差値が数字では70と69でほぼ同じになる理由は、
大学受験する人全体で東大に合格する人の偏差値が70位で、
佐賀県立高校を受験する人全体で
佐賀西に合格する人の偏差値が69位ということです。
そもそも、比較する集団が違うということです。
言い換えるなら甲子園での150㎞のストレートはめちゃくちゃ速いけど、
プロ野球だと平均位ということですね。

偏差値は60なら全体の10%、70なら全体の1%です。(厳密には違いますが)
大学を受験する人全体の1%くらいが東大に受かるから偏差値70!みたいに決めているんですね。

この時点でこう思うでしょう。
「そんなテキトーに決めているの?」

実際かなりテキトーに決めているみたいで、
某大手予備校が発表する大学受験偏差値は、
数人の先生がなんとなくで決めたものを
20年以上使い回しているみたいです。
受験の偏差値なんてわりと雑に決まっているものです。
それでもそこそこ精度が良いのでずっと使われています。
(=偏差値通りの結果になる)

ただこれは集団の結果を予測するのには適していますが、
個人の合否予測には不適切です。

偏差値70の受験生100人は60%位で東大に合格する。
(100人中60人位が合格する)

この予測は受験生を送り出して、
その結果を広告にする学校や塾によっては非常に良いものさしです。
なるべく全体の結果をよくしたいので、
不合格になるくらいならレベルを落としてでも
「合格者」の数を増やしたいですし、
逆に難関校の合格者数を増やしたいと思えば、
可能性が低くても受験させようとするでしょう。

しかし、受験生一人ひとりにとってこの予測は有用でしょうか?

得意科目や苦手科目、問題形式などなど偏差値以外にも
受験戦略を立てるために使える情報はあります。
偏差値だけに注目していると足をすくわれるかもしれません。

授業中、ちっちゃい子を泣かしたことがあったなぁという話

 もう随分前の話です。私が塾講師になってまだ数ヶ月の頃、夏期講習に来た小学3年生ぐらいの、とても賢い、とてもしっかりした女の子に国語を教えたことがありました。まだ、テレビではいわゆる「おバカタレント」が人気で、時の首相が「未曾有」を「みぞうゆう」と読んだというのが話題になっていた平和な時代。宿題をしてこなかった生徒の反省文に、「宿題を忘れました。それは、テレビを観ていたからです。それにしても最近のテレビは面白い…」と綴っていたこともありました(それはそれで読み物としては面白かったので、塾長と一緒に彼の文章力を褒めて終わる結果になりましたが)。そんな頃、小学生の女の子を私は泣かしてしまうということをしでかしてしまいました。やっちまったなー。

私の誤解

 女の子は、その日ご機嫌で塾に来ていました。そして、いつも通りテキストを広げて一所懸命文章を読んでいました。答えを書いている間、隣の空手部の英語をみていたのですが、まだ中3で部活が終わったばかりで、ちょっと目を離すと適当に気を抜いてしまうので、厳しく言ったり大きな声を出したりしていたのでした。

 女の子が解き終わったので、サラサラっと目を通して、丸バツをつけ、間違った箇所はどのように間違っているのか、出題者の意図などを説明して(国語だったので)「ここはこのように読み解いてください」と言って、説明が終わってまた隣の男子生徒を、結構きつく注意したりしていたのです。すると、しばらくして突然授業が終わるか終わらないかぐらいの頃に、女の子が泣き出したのです。うーーん、小さい子は隣で厳しく叱ったりしたのでびっくりして泣いたのだと思いました。その塾は、小・中学生が多く、みんな比較的近所から通う補習塾だったのでちょっとお姉さんぐらいの小学生が寄ってきて、「大丈夫?どうしたの?」なんて聞いて慰めてくれていました。塾長さんも、新卒の優しい男性だったので、次の授業の間、女の子とお話をしてくれていました(本当にすまないねぇ)。「申し訳なかった。ちょっと横で叱りすぎた。でも、中3だしなぁ」なんて思っていましたが、彼女はそんなことで泣いていたのではなかったのだと後で聞かされることになりました。それは、意外な理由だったのです。

彼女が泣いていた理由

 単純に、悔しかったのです。彼女は、私が何かしたことに対して泣いていたのではありませんでした。学習塾のテキストは学校で使っている教材よりもレベルの高いものが多く、普段学校で解いている問題はきっとまだ小学3年生ぐらいだとよほどのことがない限りみんな満点をとれるような作りになっていたのだと思います。だから、初めて来た夏期講習で難しいテキストを解いて、「バツ、バツ、サンカク…」と、丸以外のものがテキストにつけられて、びっくりしたのと悔しかったのとで思わず涙が止まらなくなったようなのです。でも、さすがに指示語などの問題は、正確に把握しないといけませんからやはり採点を変えるわけにはいきません。しかしその翌日、彼女はまたご機嫌で塾に来て当たり前のように授業を受けていました。

できる子は負けん気が強い

 そういう子は、伸びます。たとえば普段は冗談ばかり言っていた高校生が、部活最後の試合で負けた日に、ほとんど口も利けないほどショックを受けて、とても悔しがっていたというのを思い出します。すごく頭の切れる生徒でした。何かあってすぐに自信を失って諦めてしまうより、悔しい思いを隠さずに表現し、同じ間違いを繰り返さないように努力できる粘り強い子が合格を勝ち取れるのだと思います。

 今日は、「粘り強く継続しつづけること」が書かれた記事をたまたま目にしたので、以前塾であったことを思い出して、「あの粘り強い子はどうしているのだろう」と思って、ブログに書いてみました。

粘り強く続けられることは本当に大事なんだ。

 

 

「おじさん系雑誌」のオンライン版で学ぶ、効率よく学習する方法

 私が勝手に「おじさん系雑誌」と呼んでいる雑誌には、若者や受験生などに役に立つ情報が満載であったりします。中でも効率よく学ぶ学習法などがよく載っているのは、ビジネスマンは資格を取得したり、短い時間で効率よく仕事をするためにそういった雑誌を読むからなんだと思います。『東洋経済』や『プレジデント』などは、銀行や歯医者さんの待合室などにも置いてありますが、受験生がそうしょっちゅう銀行や歯医者さんに入り浸っているとも思えないので、オンライン版をときどき読むことをお勧めします。最近、長時間勉強しているのに、定着しないという悩みを聞きました。「もっと効率よく学習できたら」ということですよね。それについて、「おじさん系」では、どのように書かれているか、ちょっと調べてみました。

5分で覚える人と徹夜してもダメな人の違い

 なかなか刺激的なタイトルですが、プレジデントオンラインの記事です。これは、7回読みで有名な東大首席卒業の山口真由さんのインタビューをまとめたものです。

 「無理をする勉強法は、最も効率の悪いやり方です。人の記憶というのは、脳に負荷をかけて無理やり詰め込んでも定着しない」しっかり覚えたいなら、「短時間の覚える作業を、日を置いて数回繰り返す」「覚える情報を何らかの個人的な体験と結びつけて覚えやすくする」ということが書かれています。

 やはり、無理をして徹夜しても作業しているだけで頭は働かないんでしょうね。

物覚えがいいのは、早歩きの人

 これは「東洋経済」の記事。この記事では、持久力系トレーニングをしたグループの海馬が大きくなっていたと書かれています。それから、これを言ってしまえば身も蓋もないんですけど、「1日10時間勉強してもダメな子」の本質的理由ーひたすら「書いて覚える」の危険なワナという、なかなか辛辣なタイトルの記事。これも東洋経済に書かれています。そこで言われているのが、間違った勉強法は

1.テストに出ない問題集をやっている(これはいかーん)

2.問題集を1回しかやっていない(間に合わない人にありがち)

3.新出単語や新出漢字を覚えることから試験勉強を始める(え?だめなの?)

4.問題集をたくさんやろうとする(学習塾や学校が1冊を徹底的にとよく言っているのを聞きますね。ようするに、これも反復です)

5.いきなり覚えようとする(全体を把握して構造化しろと)

まとめ

 だいたい世間一般でいわれていることと大差はないのですが、キーワードは「反復」「運動」「集中」ですね。うすうす気づいていたけど、運動しないと覚えられないというのは、ある。