失敗に学ぶことの重要性

 小さな塾の塾長さんは、いわゆる講師でもあり、経営者でもあります。今日は、経営者として失敗を学ぶことの重要性についてお話できたらと思います。

 塾長さんというのは、学習塾経営者という点では、物を売ったり飲食物を提供したりするお店のオーナーとあまり変わらない部分があるとも言えます。売っている物が、知識であったり、場の提供であったり、学習管理であったりという違いはあれど。意外に、経営者タイプというよりは子ども好きであったり、教えることが好きだったりということで塾を開く人が多い業界なのではないかとは思います。もちろん、そうではなくバリバリの経営者で、学習塾“も”経営しているという方もいらっしゃるでしょうが。

 私は、どちらかというとバリバリの経営者タイプではなく、ついうっかり塾を開いちゃったというクチです。それでも、開業前は失敗しないためにどのようにすべきかそれなりに考えて準備をしました。ちゃんと準備しないといけないという点は、受験にも通じるところがあるかも知れないです。

合格体験記より失敗した人に学べ

 受験生は、赤本の合格体験記を読んで心躍らせる時期があるのではないかと思います。それを見て励みにするのはいいと思います。これから経営者になろうとする人は、どちらかというと、どうやって成功するかよりも「どうやってリスクを回避するか」というのをとことん考えます。受験生との大きな違いは、失敗するとやり直しの難しさが受験生との比ではないということです。だから、とても慎重に失敗を学ぶのです。

経営はたいてい失敗する

 ずっとあるお店が当たり前と思っている人も多いと思いますが、10年続くお店はとても少なく、10年生存率は3割未満とも6%程度とも言われているので、失敗しないようにするというのを目標にするわけです。受験生は、失敗して莫大な借金を負うわけでもなければ、浪人して受け直すチャンスもあるわけです。そういう点で、「失敗したら」ということを受験直前になるまでほとんど考えることがないと思いますが、結局出遅れると間に合わなくなってしまいます。現役合格を目指すなら、失敗した人がなぜ失敗したかを考えることも大事です。お店なんかだと、立地が大事だと言いますが、受験生は何が大事で、何で失敗するのか。その辺をよく考える必要はありますね。

大学受験も実はわりと失敗する

 そう、わりと失敗するのです。ただ、言わないだけ。成功と失敗の線引きが難しいのですが、「第一志望への現役合格」と仮定すると、かなりの確率で失敗します。体感でいうと、1割ぐらいが第一志望の大学に合格しているという感じです。ときどき、頑張ったら第一志望よりさらにワンランク上の大学に合格する人もいますが、かなり稀なケースです。高校受験は、ちょっと頑張ると合格することが多いのですが、それは学習しなければならない量の違いですね。でも、注意した方がいいのは、「その高校から一人も合格者がでないほどレベルの高い大学をめざす」場合、かなりしんどい思いをしますし、かなりの確率で受からない可能性が高いです。ある程度、高校で振り分けられるという意味で、高校受験でももちろん頑張っておく必要はあるわけですよね。失敗にはそれぞれ理由があります。学校の先生などに、どうしたら失敗しやすいのか尋ねてみるといろいろ教えてくれるのではないかな。

それでも、それぞれに合格なさってるじゃないの

 確かにね。いろんな大学に合格なさっているからいろんな大学が存在するわけですよ。しかし、彼等が全員第一志望に合格したのかというと「結果的によかったけど、第一志望の大学ではなかった」という人が多いはずです。

じゃあ、どうしろと

 勉強しろ。

 

 

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