なぜ「秋の夜長」で「読書の秋」なのか

 秋より冬が夜は長い。なのになぜ「秋の夜長」で「冬の夜長」ではないのか。このことを調べたら、意外とすぐに答えらしきものにたどり着きました。日刊ゲンダイDIGITALの記事で唐沢俊一氏が言っていました。要約すると、

 『秋の夜長』は万葉集の頃に定着した言葉で、通い婚だった当時の男女は、夏暑く夜が短かったのに対し、秋は夜が長くなり、涼しくなって、通う方も通われる方も、夜の長さをうれしく思っていたので、この秋の夜長という言葉が定着した

 ということのようです。冬のことは『日短』と言ったんだそうですよ。電気もないし、寝るしかなかったんでしょう。寒いしね。しかし、火を焚いたり灯りをつける方法もあったんでしょうけど。そこで、「読書の秋」についても調べてみました。

読書の秋」じつは、本が売れない時期でもあった

 誠にいやらしい話ではありますが、単刀直入に申し上げると「本が売れない時期」でもあり、「読書週間」が秋にあるということもあり、秋の夜長に本を読めというのは大人の事情も大いに絡んでいそうです。幻冬舎ルネッサンス新社のサイトよると、9ー11月は書籍の売上低迷期とあります。冬はカレンダーや手帳の売れ行きが好調なので、秋が一番売れないんですね。

 

 

 さらに、「読書週間」が10月27日からの週間あるということからも、読書の秋というのが定着してきたようです。「読書週間」というのは、日本図書館協会が「図書週間」を制定していたのが始まりで、その後「図書館週間」となり「読書週間」に改称されています。結局それも「図書館利用」の認知と普及がルーツでその後、書店・取次店も組んで読書週間を組んで本を売るっていう、結局そういうものなのかもしれませんね。現在では、「春の読書週間」「子どもの読書週間」もありますね。それから、みなさんご存知かどうかわかりませんが、4月23日は、サン・ジョルディの日といって、本を贈り合う日になっているんですよ。たいてい「春の読書週間」とか「子どもの読書週間」は、サン・ジョルディの日に合わせてあるようです。

まとめ

 秋の夜長に、たくさん本を読んで知識を深めるのはとてもいいことだと思います。一生のうち、限られた時間を、体験できないことを誰かが体験し、本にまとめたものを読む。誰も想像できないような物語を誰かが想像して描く世界を読む。それは素敵なことだと思いますよ。などと、ちょっと気取ったことをいってみました。

 

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